全般性不安障害
症状について
不安は誰もが日常生活で感じるもので、不安を感じるからといって日常生活に支障をきたす事は通常はあまりありません。ところが、通常感じる程度を大きく超える不安を持ち、それが原因で日常生活に支障をきたしてしまう「不安障害」という病気があります。全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder:GAD)も不安障害の中の一つで、「特定の状況の限定されない、理由がはっきりとしない心配や不安」が長期間続き、 このような心配や不安に「心や体」の症状が伴う病気です。全般性不安障害の患者数は、1000人に64人の割合が経験するという報告もあり、珍しい疾患ではないと言えます。
主な全般性不安障害(GAD)の症状
- 学業や仕事などで、多くの出来事や活動について過剰な心配と不安がある
- 心配や不安を感じている状態が半年以上継続している
- 心配や不安を感じない日よりも、感じる日のほうが多い
- 心配や不安を自分自身でコントロールするのができない、難しい
- 心配や不安の中で、次の症状のうち3つ 以上を伴っている
- ・緊張したり、物事に過敏になったり、そわそわと落ち着きがなくなる
- ・疲労感を感じやすい
- ・勉強や仕事に集中できない
- ・物事に対して敏感に反応してしまう
- ・肩こりや体の張り等、筋肉がこわばってしまう
- ・寝つきが悪い。または十分な睡眠を取ったにも関わらず熟睡した感じがしない
原因について
原因はまだはっきりとは分かっていませんが、神経質の性格や遺伝的要因、今直面しているストレス状態や自律神経の障害などが発症の原因のひとつだと言われています。また、日常生活のストレスが関与している場合が多いと言われていますが、全般性不安障害(GAD)の患者様が持つ不安や心配の原因は、ある特定の事に限られているのではなく、「家庭内での出来事」「仕事」「学校」「友達関係」「自身の健康」「近所問題」「事故」「天災」など、あらゆることが不安や心配の対象になります。そして、自分ではどうすることもできないとはわかっていても深刻に悩み、不安や心配をコントロールできなくなって、「心や体」の調子が悪くなり、日常生活に支障をきたしてしまいます。
治療について
全般性不安障害(GAD)の治療法には大きく分けて「精神療法」と「薬物療法」の二つがあります。全般性不安障害(GAD)の病気の原因は不安にありますので、まずは薬を使って、不安をコントロール可能なくらいまで軽くし、精神療法によって患者さん自身が不安をコントロールできるようにトレーニングしていきます。当院の精神科医と話し合い悩み事をはっきりさせ、病気についての理解を深めることで不安やとまどいが軽くなります。
二つの治療法は併用して行われたり、単独で行われま す。いずれの治療法も専門医とよく話合ったうえで、患者様自身が納得し積極的に治療に参加することが大切です。