高齢者の症状について
まずはじめに
超高齢社会を迎えた我が国は、認知症疾患をはじめとした老年期の精神疾患への対応が大きな課題になっています。
中でも、認知症疾患は早期発見、早期治療が重要であり、その発症や進行を遅らせ、介護負担を軽くできる可能性も日々拡大してきています。
主な高齢者の症状
- 1. 認知症
- 2. 老年性うつ病
認知症
認知症とは、さまざまな原因で脳が障害され、記憶力や思考力の低下などの症状が出てくる病気です。
アルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症が三大認知症と呼ばれ、頻度の高いものです。認知症の原因のうち、アルツハイマー型認知症が50~60%を占めます。これに血管性認知症が20~20%、レビー小体型認知症が10~20%となります。
認知症は65歳以上の高齢者に多く、2010年では270万人と、高齢者の増加によって患者数も増えています。
日常生活で以下のような変化があったら、一度当院にご相談ください。
- 何度も同じことを言う、聞く、をするようになった
- 物の置忘れやしまい忘れが多くなった
- 蛇口や鍵の閉め忘れ、電気の消し忘れが多くなった
- 料理や片づけなどの段取りが悪くなり、決まった手順通りのことが出来なくなった
- 興味や関心が失われ閉じこもることが多くなった
- 時間や場所の感覚が不確かになった
- 物の名前が言えず「あれ」「それ」などの言葉を多く使うようになった
- 身だしなみに構わなくなった
- 些細なことで怒るようになった
- 周囲への気遣いがなくなった
- 自分の財布や物が盗まれたと思い込み、周囲に言うようになった
- よく知っているはずの道で迷うようになった
- 計算間違いが多くなった
- 内容が複雑なテレビ番組や小説を理解できなくなった
- 誰に対しても疑ってかかるようになった
- 処方されている薬の管理ができなくなった
また、介護者が「誰だ、お前は」といわれたり、攻撃されたりすることもあるので、病気がさせてしまうことではありますが、介護者が無力感にさいなまれることもありえます。
当クリニックでは、認知症では、患者様と同等に介護者のケアも重要と考えています。老年期うつ病
「年をとると誰でもふさぎ込みがちなる」と言われることがありますが、一般的な老化現象とうつ病はまったく異なるものです。
しかし、高齢者のうつ病は、通常の診断基準に頼るだけでは見落とされてしまう可能性があります。
高齢者は、気分がすぐれないことよりも身体の不調をより深刻に考えがちです。
身体の不調がなければ、医者に行かない人も多いという傾向があります。
高齢者では典型的なうつ病の症状を示す人は、1/3から1/4しかいないと言われています。
症状の一部が特に強く現れたり、逆に一部が弱くなったりしていることが多いので注意が必要です。
「何かおかしいな?」と感じたら、一度当院までご相談ください。