手をいくら洗っても汚れていると感じてしまい、長時間洗い続けてしまう。玄関の戸締まりやガスの元栓をしめたかどうかが気になり、何度も確認してしまう。思い浮かんでしまう考えを追い払いたいのに 追い払えなくて悩み続けてしまう。些細な順序や左右対称が気になってしまう。このように、物事の小さな事が気になりすぎてしまう症状を強迫性障害（Obsessive Compulsive Disorder：OCD）といいます。

本人としては、強迫症状を酷く不合理とは思いつつもやめられない為、大きな苦痛を伴う疾患です。

一般に、多少の強迫症状は多くの人が持っていると言われますが、毎日また長時間にわたってそれらに時間をとられてしまうなど、日常の生活上支障が出ている場合は、治療を検討する必要があります。

【不潔強迫】

何かに触れる度に「汚れた」「病気になるではないか」と恐れてしまう

【加害強迫】

自分が他人に危害をくわえてしまうのではないかと恐れてしまう

【確認強迫】

玄関や窓の戸締りやガス栓を繰り返し確かめてしまう

【洗浄強迫】

不潔感から手や体などを繰りかえし長時間洗ってしまう

原因についてはまだはっきりとは分かっていません。しかし、最近の研究では、強迫性障害（OCD）は神経伝達物質の一つであるセロトニンの代謝に関係があるということが分かってきました。

強迫性障害（OCD）は症状の程度も現れ方も個人個人で違うので、思い込みや自己判断で素人療法を行うのは危険です。まずは、自分は本当に強迫性障害（OCD） にあたるのかどうかを医師に診断してもらいましょう。

強迫性障害（OCD）の治療法には、薬物療法と行動療法があります。どちらの治療も、患者様本人と相談したうえで医師の指導のもと、長期間かけて行ないます。

当院では患者様や家族の強迫性障害に関する理解を深めていきます。

強迫性障害は本人のみならず、周囲の人の生活にも大きな影響を与えるので、周囲の方の病気、治療、対処法への理解が、御本人が強迫性障害の治療を行っていくうえでの大切な動機になっていきます。うつ病や統合失調症の初期、または他の病気の可能性もあります。

症状に悩み、気づきましたら当院を受診ください。