身体表現障害
症状について
身体の各所の痛みや吐き気、痺れなどの自覚的な身体症状があり、日常生活を妨げられているものの、それらを説明できるような一般の身体疾患、薬物の影響、他の精神疾患などが確認されず、むしろ心理社会的要因によって説明される疾患です。ヒステリー、ブリケ症候群、心因性疼痛と呼ばれることもあり、その人の抱える不安感に結びついているものではないかと言われています。
主な症状
- 身体化障害
- 転換性障害
- 心気症
- 疼痛性障害
原因について
また、過度の作業量や長時間の残業、子育てや介護疲れでの心身の過労や、家庭や職場での心労や引越し、親しい人との突然の別れなどの身辺の環境変化が、ストレスの要因になっていると言われています。
ただ、それらのことを認識している人は少なく、言語化できない人の場合に身体症状として表れることがあると言われています。
治療について
現在では、主治医とじっくり話し合い助言するような精神療法や抗うつ薬や抗不安薬を使用する薬物療法、職場や家庭などの環境調整が考えられており、薬物療法以外の基本的な対応を学ぶ事も重要だと言われています。
精神療法では、その人がどんな事で身体症状の増悪に影響しているのか、不安感や抑うつ感に苦しんでいることにも留意しながら、丁寧に身体的健康に関する気がかりを聞いていき、ストレスの原因となっていると思われる環境の調整や、ストレスへの対処法を身につけていくことを目指します。
焦らずに当院の精神科医とともに、身体化症状の出現または悪化した場合の対処法を見いだすことによる、生活の質(QOL)を高めていくようにしましょう。
患者様一人一人の状況とご要望をしっかり加味して、治療方針を立てていきます。