血液検査について
血液検査について
当院で治療をする際、血液検査を行うことがあります。「なぜ血液検査が必要なのだろう?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。血液検査に苦手意識があって、通院をためらっている方もいるかもしれません。
血液検査を行う理由やそれによって分かることなどを詳しく解説したいと思います。
心身の状態を把握する
心と身体の症状は互いに密接な関りがあります。
内臓の不調によってうつ症状などが現れることもあります。
様々な内臓の状態や病気の可能性があるかなど、血液検査で分かることも多いため、診断や治療に役立てています。
例えば、しばしば精神症状を伴う甲状腺機能障害(バセドー病や橋本病など)では、甲状腺ホルモンを測定することで、甲状腺機能の状態を知ることができます。動悸・息切れ・めまいなどが、貧血症状であることもあります。
その他、脳炎などの感染症や脳腫瘍、肝機能障害に伴うせん妄、膠原病に伴う精神症状など多岐に渡ります。
このように、様々な疾患を事前に見つけるために血液検査は大切な判断材料になります。そうすることで、患者さんにとって最も適した治療を迅速に行えますし、治療期間の短縮にもつながります。
血中濃度を把握する
血液検査を行う、もう一つの理由として投薬が挙げられます。
治療薬の種類や量を決める際に、血中濃度のデータが必要な場合があります。精神疾患の薬は、患者さんの血中濃度によって量を決定するものが多いからです。最も安全で効果が得られやすい量を検査結果によって決定しています。
副作用を防ぐため
初診時だけではなく、定期的に血液検査を行うことがあります。それは、糖尿病や高脂血症の悪化、甲状腺機能障害、性機能障害、薬剤中毒症状などを事前に防ぐためです。